強迫性障害の克服に効果のある治療方法に、森田療法があります。
森田療法は神経症に対する精神療法で、昭和初期に始まり90年以上
続けられてきた実績があります。
森田療法では強迫性障害などの神経症の症状は、心配性、内向的と
いった弱気な部分と、頑固、負けず嫌い、完璧主義といった強気な部分が
心の中に同居して葛藤が生じやすい性格を基に、独特の心理的メカニズムで
発症すると考えられます。
独特の心理的メカニズムとは、不安や恐怖を存在してはだめなものと
排除しようとして、神経がさらに過敏になり、かえってとらわれてしまう
というものです。
その不安や恐怖をそのままにして、目の前の、まずなすべきことを行って
前向きに生きていくことを教えるのが森田療法で、
あるがままという
精神状態に導くのがねらいです。
森田療法は大きく分けると、入院療法と外来療法の二つがあります。
元々、基本的に入院療法が実施されてきましたが、入院先の確保が困難という
こともあり、
現在では外来療法(通院治療)が主流です。
症状が比較的軽く、短期間の治療でいい場合に通院治療が行われ、症状が重く、
長期にわたる治療が必要な場合に入院療法が実施されています。
個人差はあると思いますが、森田療法の治療を受けていく中で、
不安や恐怖に
対するとらわれが和らいで、あるがままという気持ちが心の中にできてくれば
強迫性障害は克服できるものと思います。
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強迫性障害の克服には