強迫性障害を患っている人が車を運転する場合、どういった影響が
出るのでしょうか。
強迫性障害の症状の一つに
加害恐怖があります。
これは、車を運転していてタイヤが何かにのったら、誰か人をひいて
しまったのではないかと不安になったり、車を停めて事故がなかったか
確認したり、時にはわざわざその場所まで戻ってしまうといったものです。
また、戻らないまでも不安でサイドミラーやルームミラーを何度も何度も
見てしまうので、前方不注意で危険な状態になります。
もし、人をひいてしまったとしたら当然衝撃がありますし、健常な人から
すれば何でそんなに気になるのかと思えるところですが、強迫性障害に
苦しむ人は、
運転中どうしても意識が過敏になり、強迫観念が湧き上がってきて、
まともに運転できなくなってしまうのです。
車に乗らなくても生活上困らないのでしたら、乗らないのが一番でしょうが、
仕事や生活でどうしても車に乗らなければならない場合、どうしたらいいのでしょうか。
これは、
走る、止まる、曲がるという車の運転の三つの基本と、安全確認を
強く意識して確実に行うべきです。
まずは法定速度を守って運転してみてください。速度をゆっくり目にすることが
強迫性障害に悩む人には効果があると思います。
止まるときもゆっくりブレーキをかけていって、停止線できちんと止まりましょう。
一時停止の安全確認も左右ていねいに行います。
曲がるときも手前から十分減速して曲がり、直線を向いたらまたスムーズに加速すると
いった感じです。
ウインカーをちゃんと出すことは言うまでもありません。
こういった当たり前のことをきちんとやることで、大丈夫だという自信が戻ってくると思います。
自信が戻ってくれば、運転中の強迫性障害の症状は次第に改善すると思いますし、
他の症状もある場合は、そちらへの波及効果も期待できます。
あと、強迫性障害の治療法の一つに認知行動療法があり、その中でも曝露反応妨害法
が強迫性障害の治療には一般的に使われますが、
曝露反応妨害法は、車の運転による
加害恐怖には効果が出やすいです。
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強迫性障害の克服には